血管のしくみと下肢静脈瘤
3)下肢静脈瘤の原因:弁不全による逆流
静脈弁が壊れると血液が足の静脈に停滞してしまいます。また逆流が起こると静脈が拡張し、静脈瘤が発生します。


静脈瘤の「瘤」とはこぶのことです。足の静脈が瘤のように膨らんでデコボコしたものが下肢静脈瘤です。原因や程度、できている場所によって色々な種類に分けられますが、ほとんどは表在静脈の弁が壊れることではじまる一次性下肢静脈瘤です。静脈弁が壊れると、血液が下肢静脈に停滞してしまい、逆流が起こることで静脈が拡張して静脈瘤が発生するのです。
では、どうして静脈弁が壊れてしまうのでしょうか?
人が立った状態であまり動かないと筋ポンプ作用が働かず、血液が心臓に向かって昇っていく速度が遅くなります。一方、心臓から動脈を通って送られてくる血液の速度は一定であり、多くの血液が静脈内に溜まり、血管内の圧力が高まります。この状態が反復、持続することで弁に負担がかかり、その負担に耐えられなくなって逆流防止機能を失うことになります。
深部静脈は周囲の筋肉によって拡張が抑えられていますが、表在静脈は圧力上昇の影響を受けやすく、弁が壊れやすいといえます。特に表在静脈が深部静脈に合流するところや穿通枝は、深部静脈の圧力を直接受けるので弁不全がよく生じます。