下肢静脈瘤の治療方法
3)注射で治す硬化療法
硬化療法は静脈に硬化剤を注入し、静脈瘤をつぶしてしまう治療法です。硬化剤は血管の内側をくっつける糊のような働きをします。血液が流れなくなった血管は徐々に退化し、そのうち静脈瘤は消えてしまいます。弁が壊れ、働かなくなった不用の静脈を硬化させるのですから、血管が閉塞・退化することによるデメリットはまったくありません。硬化療法は注射するだけで済むため、患者さまにとって負担の少ない治療法です。



*瘤内血栓は3~6ヶ月、色素沈着は1~3年でほとんど消失します。
硬化療法の歴史
硬化療法がはじめて行われたのは1840年のことで、既に160年以上の歴史があります。血管をつまらせるのにどのような薬剤が安全で最も効果的なのかいろいろな研究が続けられ、治療法として進歩してきました。1950~1960年代になり、硬化剤注入後の圧迫療法の有用性が指摘され、硬化剤が開発されたこともあり、欧米を中心に脚光を浴びるようになりました。
硬化剤の種類
硬化剤には作用メカニズムの異なる3種類(洗浄性硬化剤、浸透性硬化剤、化学的硬化剤)があります。日本で主に使用されているのは洗浄性硬化剤のポリドカノールです。もともと局所麻酔剤として開発されたため、注射するときに痛みがほとんどないという大きなメリットがあります。静脈の太さによって適切な濃度のものが使用されます。
治療回数・合併症
限られた範囲の小さな静脈瘤であれば、1回の治療で済みますが、重症の静脈瘤や範囲の広いものは10回以上治療することもあります。治療効果を見ながら、一定の期間をあけて治療を行います。
硬化療法施行後には瘤内(りゅうない)
血栓や色素沈着などが起こることがあります。瘤内血栓は施行1ヶ月後に最もひどくなり、色素沈着は3ヶ月後にひどくなります。しかし、半年から1年でほとんどは消失し、3年後には双方ともほぼ完全になくなると言われています。