病態について
足以外、手にもできますか?
特別なもの以外は下肢以外にできません。
下肢静脈瘤は下肢だけにできる病気です。他の臓器に広がったり、手や腕にできることはありません。腕の静脈が浮き出て気になるという人がいますが、静脈瘤ではありません。ただし、ごくまれに先天性の静脈形成異常、孤立性静脈瘤という特殊な静脈瘤が手、腕にできることがあります。
子どもにも下肢静脈瘤はありますか?
ほとんどありません。
生まれたとき、あるいは乳幼児のときから下肢静脈瘤があるとすれば、先天性の血管形成異常が疑われます。一般的には静脈瘤は二十歳代以降に起こりますが、十歳代前半で起こる人もまったくいないわけではありません。
静脈瘤があると、動脈瘤も起こりやすくなりますか?
いいえ、静脈瘤と動脈瘤とは関係ありません。
下肢静脈瘤は静脈のみの疾患で動脈とは関係ありません。動脈瘤には脳動脈瘤、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤など危険なものがありますが、原因は動脈硬化、動脈解離(どうみゃくかいり)、細菌感染などです。静脈の弁不全を原因とする静脈瘤とは原因からも関係ないことがわかります
下肢静脈瘤は遺伝しますか?
静脈瘤になりやすい体質は遺伝します。
欧米では静脈瘤の患者の7~8割に、血縁者にも静脈瘤があると報告されています。専門書に遺伝性の疾患であるとも書かれています。ただし日本では静脈瘤という病気があまり知られていないため、家族に静脈瘤の人がいるとはっきり答える人は多くありません。
肥満と関係がありますか?
ある程度、病態に影響します。
太り過ぎが静脈瘤に良くないことは多くの専門書に書かれています。ただし具体的な肥満と静脈瘤の関係については、はっきりしていません。
全身に悪い影響はありますか?
ほとんどありません。
静脈瘤による症状は足がだるい、重い、疲れやすい、むくみなどです。全身に影響することはほとんどありません。静脈瘤の原因になっている弁不全が内腸骨(ないちょうこつ)静脈にある場合は、下腹部や会陰部(えいんぶ)に鈍い痛みや不快感を覚えることがあります。
悪性の病気になることはありますか?
ありません。
重症の静脈瘤の人が悪い病気ではないかと不安を覚えたり、将来がんになるのではないかと心配することがあります。しかし、そのようなことはありません。静脈のうっ滞によって下肢に潰瘍ができ、それが悪性化して皮膚がんになることがあると考えられますが、あったとしてもごくまれなケースです。
高血圧だと下肢静脈瘤になりやすいということはありますか?
ありません。
高血圧の人が下肢静脈瘤になりやすいということはありません。ただし静脈瘤が悪化する要因となることは考えられます。