治療について
血管を引き抜いたり、詰まらせて大丈夫ですか?
大丈夫です。
血管を引き抜いたり、つまらせて血液はどこを流れるのかと心配する人がいますが、心配ありません。血液は深部静脈を流れます。下肢の静脈には表在静脈と深部静脈があり、静脈瘤は表在静脈に起こります。静脈還流にとって大切なのは深部静脈であり、弁不全を起こした表在静脈は取り除いても差し支えありません。
どこまでなら硬化療法で治りますか?
下肢静脈瘤の多くは硬化療法で治すことができます。
重症の静脈瘤の人には治療にかかる手間暇を考えて手術を勧めますが、手術がどうしても嫌だという人や入院する時間がないという人には硬化療法のみで治療することもあります。ただし重症の場合には再発する可能性も高いため、外来でできる高位結紮術を併用した硬化療法が勧められます。
弾性ストッキングは効果がありますか?
あります。
弾性ストッキングを履くと足が軽くなったり疲れにくくなります。拡張している血管を圧迫するため、血液の流れがよくなり、症状もやわらぎます。
弾性ストッキングを履き続けても大丈夫ですか?
大丈夫です。
弾性ストッキングは正しく着用すれば、危険なことはありません。履いていて足にしびれ、痛みを感じるようなら医師に相談してください。下肢の動脈に血行障害がある人は履いてはいけません。弾性ストッキングには寿命があります。半年程度で交換してください。
自覚症状がないのに手術を勧められました。手術は必要ですか?
専門医が勧めるのであれば、受けるべきでしょう。
静脈瘤は徐々にではありますが必ず進行します。明らかな弁不全が検査で見つかっていて静脈瘤が目立つうようであれば、治療しておくことがよいでしょう。手術にするか硬化療法にするかは、静脈瘤の程度や患者さまの都合を考慮して、医師と十分に相談して決めます。
手術後に傷跡は残りますか?
残ります。
皮下まで達した傷がまったく跡を残さずに消えることはありません。ですから手術の跡は必ず残ります。しかし、傷口を小さくし、丁寧に縫い合わせれば、切開した線は時間が経つにつれほとんど見えなくなります。個人差はあります。
手術後どのぐらいで歩けるようになりますか?
スポーツはいつ頃からできますか?
歩行は当日。
スポーツは種類によりますが2~3週間後には始められます。
ストリッピング術は、手術の当日~翌日には洗面、トイレなど病棟を歩くことができます。二日目からは普通に歩けます。最近は日帰り手術でストリッピング術を行う施設もあります。術後2週間は長時間の歩行や立ちっぱなしは避けたほうが良いですが、その後は軽い運動なら差し支えなく、1ヶ月経てば特に運動制限はありません。
治療法のなかで安全なのはどれですか?
一概には言えません。
麻酔を必要としない硬化療法が安全と言うこともできますが、重症の静脈瘤では手術のほうがむしろ合併症が少ないこともあります。医師と患者さまが共に治療上の注意をきちんと守っていれば、どの方法も安全に行うことができます。
手術、硬化療法の費用はどのくらいですか?
施設、治療法によって異なります。
ストリッピング術の場合、術前の検査は別として、入院治療にかかる医療費は片足で経過に問題がなければ30万円前後です。健康保険が使えますので、患者さまが支払うのは保険の自己負担分だけです。
硬化療法も保険の適用になっています。医療費として1回約1万8千円から2万円。そのうち自己負担分を支払います。月に2回まで認められています。詳しいことは病院や医師にご相談ください。
硬化療法はどこで受けることができますか?
主に血管外科、心臓血管外科、一般外科、形成外科などで受けることができます。
下肢静脈瘤を診療するのは主に血管外科、心臓血管外科、一般外科、形成外科などです。硬化療法だけなら皮膚科でも受けられるところもあります。硬化療法は硬化剤が保険適応になったこともあり、普及しつつありますが、まだどこの病院でも受けられるというわけではありません。